テクノストラクチャー工法は住宅で使われるイメージが強いですが、その使用範囲は住宅に留まりません。
木と鉄の複合梁「テクノビーム」と高強度オリジナル接合金具を使用し、さらに構造計算や耐震実験など最先端の技術を導入した「テクノストラクチャー工法」。「木か鉄か」という選択肢では得られない、木造と鉄骨造の両方のメリットを活かしながら、住宅以外のさまざまな建物で用いられています。
この記事では住宅以外の建物でもテクノストラクチャー工法が選ばれる理由や具体的にどのような施設で使われているかを解説します。
非住宅施設でテクノストラクチャー工法が選ばれる理由
一般的な木造の場合、柱・壁が多くあるため、設備や家具の配置に成約が出てしまう可能性があります。福祉施設では手摺が分断されたり、車椅子の通り道の確保に問題が発生する場合も。死角ができることで運営上のリスクにもなります。
それに対しテクノストラクチャーの場合、一般的な木造の場合には構造上どうしても必要である柱や壁を省くことが可能になり、成約の少ない大空間を実現。大空間が必要な施設などにも対応可能です。
以下ではより具体的な内容をご紹介します。
最大10mスパン※の大空間を実現
強い梁が階上の重みを支えるため、梁の下に柱や壁が少ないのが特徴です。施設などで階上階に大空間を設けることが可能です。
また、大規模建築物のために開発されたグランドテクノビームを採用することで、2階建ての建物の場合、1階は最大8mスパン、2階は最大10mスパンの大空間を実現できます。 ※芯々寸法。上階に居室がある場合は最大8mスパンです。プランや地域によって対応できない場合があります。
資産価値を最大化できる
一般的な木造では共用廊下の有効幅1,200mmを確保するために柱の設置が必要で、外壁柱芯からこの共用廊下の柱までの距離に建物の幅を乗じ、建築面積に算入する必要があります。
一方、テクノストラクチャーでは柱の設置が不要なため、先端から1,000mmについては建築面積に算入しなくても良く、その分を居室面積にまわすことができます。家賃の割増ができて収支改善が図れます。
梁貫通穴の配置で天井高を確保
構造計算で安全の確保が出来た箇所には、グランドテクノビームには直径215mm、その他のテクノビーム(一部除く)には直径135mmの梁貫通穴を設けることができます。設備配管・電気配線に梁貫通穴を利用することで、下り天井となる場所も天井高の確保できます。
テクノストラクチャー工法を活かした具体的な施設
店舗や事務所
テクノストラクチャー工法は、見通しのいい空間を実現したい店舗や事務所で活躍します。
加重が集中する大空間の中心に105mm角の普通柱を配置すると、荷重を支えられず多数の柱や柱を集めた壁が必要になります。
180mm角の大断面集成材を使用した「テクノ柱」は、普通の4倍以上の加重を支えられるため、空間内の柱の数を減らすことができます。また、テクノ柱の柱頭部分には、4方向からテクノビームを接合できるため、効率よく荷重を集中させることができます。
さらに、テクノ柱の柱脚部分には基礎に直結する金物を採用しています。土間床の場合には、基礎の立ち上がりや土台が不要になり、室内の邪魔な出っ張りがなくなります。店舗や事務所など、テクノ柱を活用することでレイアウトにこだわる大空間を実現できます。
倉庫やレストラン
他にも倉庫やレストランに代表される商業施設など、非住宅を中心とした平屋建物への対応力も高いです。
例えば下弦材は木と鉄の複合梁「テクノビーム」、その他の上弦材・斜材・鉛直材は木材を用いてオリジナルで開発した金具で接合してトラス構造を構成するテクノビームトラスを活用することで、中間を支える柱なしで最大15mの大スパン、最大300㎡の大空間を実現します。中間に柱のない無柱空間は、将来の間取り変更にも柔軟に対応します。
高齢者施設・医療施設・保育園・公民館等の大規模施設
高齢者施設・医療施設・保育園・公民館等の大規模施設でもテクノストラクチャー工法は活躍しています。
鉄骨造等に劣らない大空間を確保しつつ、テクノストラクチャー工法の建物は木造であるため、鉄骨造・RC造に比べて基礎工事や地盤改良の工期短縮が可能でありそれがコスト低減にもつながります。
まとめ
テクノストラクチャー工法は住宅以外でもさまざまな施設で活用されている工法です。テクノストラクチャー工法で住宅建築をお考えの方は、こういった面でも安心して施工をお任せください。
また、テクノホーム長野では住宅以外の施設の建築も承っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。