構造計算とは
建造物を建てる際、災害に対する強さを確認する方法が「構造計算」で、地震、台風、豪雪など、いわゆる災害が起こった際、建物にどのような力が加わるかを計算し、その力に建物が耐えられるかどうかを、詳細に検証するもので、言わば、「建物の災害シミュレーション」と呼べるものです。 もともと日本は災害が多い国です。世界有数の地震大国であり、近年は特に大地震が頻発し、台風や豪雨、豪雪被害もここ数年で多数発生しています。 日本で家を建てるなら災害は起こってしまう前提での家づくりをする必要があり、家には、まず、「家族を守る強さ」が必要です。
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テクノストラクチャーの構造計算の特徴
「テクノストラクチャーの構造計算」とは簡単に言うと、コンピューター上にお客様の家を建て、そこに地震や台風など様々な力を加えて災害シミュレーションをし、柱・梁・屋根・基礎などのあらゆる部分にかかる力を計算し、建物の各部材がその力に耐えられるかを確認することです。この設計では強度が足りない、となった場合は、どうすれば強度が確保できるか構造を再検討し、強度が十分に確保できているという確認が取れるまでシミュレーションを行います。
「テクノストラクチャーの家」は、早くから、1棟1棟異なる間取りを持つ一戸建て住宅にこそ、構造計算が必要と考え、1995年の発売以来、オリジナルの構造計算システム「自動躯体設計システム」を使い、すべての建物において、構造計算を実施しています。間取りや建設地域など、建物がもつ条件は1棟1棟さまざまで、それぞれを考慮した最適な部材、最適なバランスを考えた構造設計が必要です。
従来の木造建築は、この構造設計を経験やカンにより行うこともしばしばで、熟練した職人が不足している近年はそのノウハウも得難いものになってきています。 この問題点を改善すべく、テクノストラクチャーでは、1棟1棟異なる間取りや地域条件を加味した上で、自動的に構造体を設計でき、さらに設計された構造体が十分に強度確保できているかをチェックできるオリジナルの構造計算システム「自動躯体設計システム」を開発し、1棟1棟全ての建物で構造計算を行い、その安全性を確かめています。
自動躯体設計システムによる緻密な構造計算
法律で定められた仕様規定(壁量計算、四分割法など)だけでは不十分と考え、テクノストラクチャー独自の厳しい構造計算基準を設け、法律で定められた仕様規定よりもはるかに厳しい基準で設計しています。 例えば、建物が地震に対して捩じれやすいかどうかを計り、壁の配置バランスの良し悪しをみる「偏心率」という数値があり、その値が小さいほど捩じれにくいと言えるのですが、一般木造住宅の基準が偏心率0.3以下となっているのに対しテクノストラクチャーの基準では偏心率0.15以下(一般的に4階建て以上の建築物に採用される基準)となっており、壁のバランスに関しても、独自に厳しい基準を設けています。
より高度で多角的な「立体的応力解析」で388項目(※多雪区域は440項目)ものチェックを実施し、構造的に負担のかかるほぼすべての部位の強度と、建物全体のバランスを十分確保できるよう細部にわたる緻密な強度チェックが、その耐震性を裏付けます。
そしてその結果は、「構造計算書」と「構造計算保証書」という書類にしてパナソニックが発行します。構造計算を行った内容と、その計算結果の正しさを証明する書類で内容をご確認いただけます。
構造計算による耐震等級3での家づくり
地震に耐える強さを示す指標として「耐震等級」というものがあり1・2・3と3つのランクが設定されています。耐震等級1というレベルは、建築基準法に定められているレベルで、いわば家を建てる際の最低限レベルの基準です。この耐震等級1が「大地震で倒壊しないレベル」(例えば家が傾いたとしても、その間に人が逃げて命だけは助かるように、というレベル)なのに対して、耐震等級3は防災拠点として使用する消防署や警察署、つまり災害時にも壊れてもらっては困る重要な建物を建てる際に採用するのと同じレベルです。
耐震等級2以上の取得を考えたときに、上記の最低限レベルの基準である「仕様規定」では取得できません。住宅の品質確保の促進等に関する法律で定めるところの「性能表示計算」、若しくは、許容応力度計算などの「構造計算」が必要になりどちらでも計算の結果、条件を満たせば最高等級である耐震等級3の取得が可能です。しかしより細部まで詳細な計算を行う許容応力度などの構造計算の方が、地震等に強く構造安全性レベルは高いといえます。
大きな災害の後も生活の拠点である家を安心できる状態で確保するためにも、耐震等級3での家づくりを今後も勧めてまいります。